No.047 相続開始後の不動産の賃料収入の帰属

 相続開始から遺産分割決定までに生じた不動産収入について、@法定相続分で分配する考え方と、A遺産分割の割合で分配する考え方とがあります。税務行政上は@法定相続分で分配する考え方をとってきましたが、実務上(当時)はどちらの考え方でも行われており、裁判でも判断が分かれておりました。

 この問題について、最高裁小法廷は平成17年9月8日、「相続開始から遺産分割確定するまでの期間に発生した不動産の賃料収入は、分割協議の結果にかかわらず、法定相続分で分けるべきだ」との判断を示しました。よって、最高裁のこの判決で不動産の賃料収入の帰属問題については、決着をみたことになります。

 最高裁では、「相続人が複数いる場合の遺産は、相続開始から遺産分割までの間では共有のものと認められ、遺産分割までの間に生じた不動産賃料という法定果実は、遺産とは別個の財産とするべきものである。また遺産分割は相続開始時に遡って効力が生じるが、賃料については後に決定した遺産分割の影響を受けないものというべき」といっております。
(平成17年09月08日第一小法廷判決平成16年(受)第1222号預託金返還請求事件)