No.034 相続時精算課税を用いた公開前株式の移転対策

 相続時精算課税を適用した場合、相続発生時の相続税額を計算する際に用いられる相続財産の価額が贈与時点の価額で固定されます。そこで、株式公開を目指し、将来自社株の価格の上昇が予想される場合には、公開前の株価の低い時点で自社株の贈与を行うことにより、より低い税額でお嬢様への株式の移転を行うことが可能になります。

 この場合、親の年齢が65歳に達してませんと、通常の相続時精算課税制度の対象とはなりませんが、住宅取得資金の贈与については、贈与者の年齢制限なしでこの制度の適用が認められ、その後、その親からのすべての贈与について、65歳未満であっても相続時精算課税制度を継続適用することになります。したがって、自社株と合わせて意図的に住宅取得資金を贈与することにより、65歳未満であっても、この制度の適用を受け、公開前株式の移転を行うことができます。

(例)自社株1億円、住宅取得資金3500万円を贈与し、相続時精算課税制度を適用した場合

 贈与税額:(100,000,000+35,000,000−35,000,000)×20%=20,000,000円