No.033 オーナー会社における役員給与の損金算入制限

 平成18年度税制改正において、実態が個人事業と変わらないオーナー社長等の役員給与について「給与所得控除相当額」が法人所得計算上損金に算入できない制度が創設されました。財務省が本年5月施行の会社法改正を踏まえて個人形態と法人形態の格差是正策として編み出し他者といわれております。

(原則)

 具体的には次の条件を満たす場合に、所得税の概念である「給与所得控除相当額」を法人の所得計算にもってきて加算処理することになります。
  1. 同族会社の業務を主宰する役員及びその同族関係者等が発行済株式総数又は出資の90%以上を有する。
  2. 業務主宰役員及び常務に従事する主宰役員関連者の総数が、常務に従事する役員の過半数を超える場合。
(注)なお、この場合の常務に従事する役員とは、業務執行の適正を監督すると認められる役員を指し、名目だけの役員は含まれません。

(例外)

 但し、次のいずれかに該当する場合には上記の規定による給与所得控除相当額の法人の所得加算は適用されません。
  1. その事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度の所得にその事業年度に業務を主宰する役員の給与を加算した金額の平均が年800万円以下である場合。
  2. 上記1の平均額が年800万円超3,000万円以下で、かつ、業務を主宰する役員給与の金額が、その平均額に占める割合の50%以下である場合。

(計算例)

 例として考えると次のようになります。

法人所得金額主宰役員給与合  計
平成16年度300万円500万円800万円
平成17年度400万円600万円1,000万円
平成18年度500万円700万円1,200万円
前3年の平均400万円600万円1,000万円
平成19年度適用600万円900万円1,500万円

例外1の条件:1,000万円>800万円
例外2の条件:800万円<1,000万円<3,000万円 かつ、
600万円/1,000万円=60%>50% ⇒ 例外要件満たさず。

 この場合、例外要件のいずれも満たさないため、主宰役員の給与900万円の給与所得控除相当額210万円が法人所得に加算されることになります。