No.028 限定承認

 限定承認は、「相続財産の範囲内で相続債務の弁済をすればよい」という民法上の制度です。手続きとしては、相続の開始を知ったときから3ケ月以内に家庭裁判所に申し出ることが必要となります。

 限定承認に関して、税務上は、相続財産を全て譲渡したものとみなして譲渡所得課税が行われることになっております。すなわち、限定承認を選択すると売却してなくても不動産等を譲渡したものとみなされ、取得価額と時価との差額に対して譲渡所得税が課税されてしまいます。しかし、これは税務的には最低の選択となりかねません。

 債務が明らかに多大であるケースは限定承認を選択してもいいのですが、債務がさほど多くなく、万一の隠れ債務に備えての相続債務の承継回避策として限定承認を選択すると裏目に出でしまうことがあります。みなし譲渡所得税を含めたところで、単純承認、限定承認、放棄の選択をしないと、限定承認=最悪の選択となる可能性があります。