No.027 相続放棄

 相続の放棄をすると放棄者は、はじめから相続人とならなかったものとみなされます(民法939)。この規定を使って放棄する人もいますが、3ケ月以内に家裁に申述しなくてはならないなど手続きが面倒であり、また、次のように相続税法上のデメリットが多いことから実務上は相続放棄をせずに、分割協議の中で「事実上」の相続放棄の手続きが行われることがあります。

  • 放棄の子の代襲相続
  • 生命保険金、退職手当金の非課税規定の不適用
  • 代襲相続人の2割加算 (遺贈により取得した財産について2割加算)
  • 債務控除の不適用(負担した葬儀費用のみ控除可)
  • 相次相続控除の不適用

 また、司法書士を中心に登記実務で使われている「相続分のなきことの証明」をもって、事実上の放棄を行うことがありますが、この方法は、相続放棄や遺産分割協議の便法であって、法的拘束力はありません。問題として、確かにその相続財産を取得したことにはなりませんが、その相続について単純承認したことにはなるため、債務は承認されてしまうという点が上げられます。また、贈与税の上でも問題が残ります。