No.006 「信義則」が適用されるケース
 

 確定申告も大詰めで税務署に行く機会もあろうかと存じます。
 税務署の窓口で相談したところ「それで、だいじょうぶですよ。」と言われたのに、後日、申告書を提出したところ否認されたと言うようなケースが多々あります。この場合、税務署と裁判でやりあうことになったりしますが、その際、「信義則」に反するとして争っているケースがあります。このように、税務署の税務相談が間違っていたとして、「信義則」違反で勝てるのでしょうか?
 これは、結論から言えば、勝てません。では、「信義則」が適用される場合はどんなケースでしょう。一般的に「合法性の原則を犠牲にしてまでも、なお納税者の信頼を保護することが必要であると認められる場合がありうるのであり、その場合において、信義則の適用が肯定されるべきである。」とされており、その要件は以下のとおりです。
  1. 租税行政庁が納税者に対して信頼の対象となる公の見解を表示したこと(法令の解釈に関する見解の表示も含まれる)
  2. 納税者の信頼が保護に値すること
  3. 納税者が表示を信頼し、それに基づいてなんらかの行為をしたこと
 上記 1について、これは、租税行政庁が公式見解として行われるものと考えられ、窓口の職員が口頭で相談に乗ったレベルは指さないものと考えられます。よって、単に窓口でOKが出たからと言って、それを言質に「信義則」の問題を裁判で持ち出しても勝ち目はありません。